マラリア

マラリア原虫による発熱疾患で、蚊に媒介されます。マラリアには、熱帯熱、三日熱、卵形、四日熱の 4種類があります。その中でも、最も危険なのが熱帯熱マラリアです。

症状

マラリアの潜伏期は通常 1週間から 1か月です。発病すると、インフルエンザのように悪寒を伴った高熱が出ます。熱帯熱マラリアの場合は、脳症、肺水腫、急性腎不全などの合併症が起きることが多くあります。

治療

マラリアは薬で治すことができる病気で、早期診断、早期治療が大切です。治療には抗マラリア薬を服用しますが、感染した地域によっては薬剤に耐性のマラリアもみられます。
※スタンバイ治療:マラリア感染が疑われた場合、重症化を防ぐため、自己判断で薬剤を服用する緊急避難的な治療方法です。医療機関へのアクセスが悪い場所で、マラリアの可能性がある場合に実施します。

予防

マラリア予防は、蚊に刺されないようにすることが一番大切です。マラリアを媒介するハマダラカは夕方~夜間に吸血する習性があります。日没後は外出せずに、室内に留まれば感染の危険性は大幅に減少します。外出時には、長袖、長ズボン、靴下を着用するのがよいでしょう。また、屋外では虫よけのスプレーやローション、屋内では蚊取り線香、殺虫剤、蚊帳などを使用しましょう。
※予防内服:マラリア原虫をもつ蚊に刺されても発症しないように、抗マラリア薬を予防的に服用する方法です。薬剤としてはメフロキンとマラロンが日本で認可されています。