空気

麻疹(はしか:Measles)

麻疹ウイルス(パラミクソウイルス)による感染症です。感染経路は空気、飛沫、接触感染で、感染力は極めて強いです。我が国で麻疹ワクチン導入がされた1965年以前は、ほとんどの人が15歳までに罹患する感染症でした。しかし、その後ワクチン接種の普及により患者数は減っており、近年は年に数十人~数百人の報告に留まっています。日本は2015年にWHOから麻しん排除国と認定されましたが、海外からの輸入例が未だ問題となっており、国内発生は無くなっていません。発展途上国を中心に世界各国で毎年多くの感染者が発生しています。WHO(世界保健機関)の報告によれば、2018年には14万人以上の5歳未満の小児が麻疹で命を落としました。
WHO : https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/measles

図.人口100万人あたりの麻疹患者発生数

 

症状

おおよそ10~12日の潜伏期間を経て、高熱と発疹、倦怠感等を起こします。感染力が強い場合には、中耳炎や肺炎、脳炎などの合併症を引き起こし、致命的になる場合もあります。また、妊婦が罹患すると死産や流産の原因になります。

治療

特異的な治療方法はありません。

予防:予防接種

麻疹は、①過去に罹患歴がある場合、②ワクチン接種歴が過去に2回ある場合、感染のリスクがほぼなくなります。我が国では2006年より、1歳からMRワクチン2回の定期接種が義務付けられるようになりました。しかし、2006年以前に生まれた人は、麻疹ワクチンを2回接種できていない人が多く、感染のリスクを伴います。①②に合致しない方は、海外渡航の有無にかかわらず、接種をお勧めします。